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りんごの芯

思いついた事感じた事を言葉に ショートストーリーにしています。

言の葉

皆が同じ言葉を使う時代になった
表現も比喩も何もかも同じ
街に出て飛び交うフレーズが同じ
街にいると頭痛がする

メールが来ても近況をSNSで見ていても
やってる事と感想は違えど選ばれている言葉は同じだ
それが当たり前
違うフレーズを口にすると皆に古いやつだと笑われているように感じる
言葉が囚われてしまった



私の働いている「言葉博物館」では
使わなくなった多くの言葉を時代別に置いている
使われなくなった言葉たちがずらりと並び
使われるのを待っている

私が好きな言葉は「晴耕雨読」四字熟語なのだが
この前なんて雨だったから本を読もうと思ってたから
友達の誘いを断り「晴耕雨読主義だから」と言ってみたら
見事に無視された

言葉博物館にいると
自分の好きな言葉ができ季節の度に違う言葉を言っていると
おのずと話が通じなくなり最終的に友達が少ない
共感できる人はいないが
足並みを揃え過ぎるのが嫌いな私にはみんなに通じない方が幸せを感じられるのだ

そして今日も言葉博物館で小学生の学習見学の子供たちの自由さに振り回され
欠伸をしている子達に言葉について熱弁し
一日が終わるのだった。

そんな悲しいようで豊かな生活を送っていた時
世間に反抗するギャングが現れたのだった