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りんごの芯

思いついた事感じた事を言葉に ショートストーリーにしています。

くるみ割り人形

朝から晩まで休まずクルミを割る
それがわたし

私はクルミをわり続ける
隣の人形がわたしに問う
お茶でもしないかい?

私はくるみをわり続ける人形
お茶なんてできない
そう答えて私はクルミをわり続ける

そしてまた他の人形が私に問う
君はいったいどれほどのクルミを割ったのかい?

私は数え切れないほど割ってきたわと答えた
そして私はガタガタになった体を動かし
1つまた1つとクルミをわった

飽きもせずにまたその人形は言った
君が割っているくるみは人を殺すんだ

私は初めてクルミを割る手を止めた
手に持つ割れかけのクルミを見つめた
人を殺せるとは思わなかった
だから人形に言った
何を言ってるのこれで人は殺せないわ と
そう言ってまたクルミを割る

人形はさも滑稽化のように笑い言う
お前が割るからくるみを作る人が働き詰めで死ぬんだと
お前が割るから人が死ぬんだ

そう言われてもなお
くるみ割り人形はクルミを割ってしまう
彼女はクルミを割らない日をしらないほど体に動作が染み付いていた

人形はお前は哀れなくるみ割り人形だと言い残し
去っていった

ギシギシと軋む音を立てながら涙を流し
くるみ割り人形は今日もクルミを割っている